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徒然

暇人女子大生の自己満足ブログ。

トラッシュマストラントと国際情勢について本気で考えてみた。

最初に

この記事は、ある特定の国や人種を差別したり否定しする目的に書いたものではありません。

そこのところよろしくお願いします。

また私自身歴史にそうそ精通しているわけでもないので、も間違っている点などありましたらご指摘お願いします。

 

 

坂本昌行演じるヨネが周囲が引くほど好きなのもあるけど、ああいうちょっと考えさせられるような話が好きなのでトラッシュマストラントのリピート率は異常で、
なんならDVDボックスに入ってる他の2部作(グリフトの手口:長野博 Iの世界:井ノ原快彦)は一度ずつしか見たことがないにも関わらず、トラッシュマストラントは買ってからというもの日課のごとく鑑賞している。

 

 

トラッシュマストラントが当時の国際情勢を示しているというのは割と知っている人も多いと思う。
知らない方のために登場人物とその特徴をざっと上げてみよう。
※もしネタバレ無しでトラッシュマストラントを鑑賞したい人がいるとしたら回れ右を推奨する。

 


米倉/ヨネ…バイトリーダー。入ってきたのはほかのバイトメンバーより後らしい。(バイト達のヨネさんが来てから〜等の発言より)性格は自己中心的でワンマン、俺様気質。クールで取り乱さない。遅れてる者は切り捨てる主義。


日ノ元/ヒノッチ…バイト。基本的にやる気がない。みんなが慌ただしくしてる時にでも漫画を読んで爆笑していたり、ぼーっとしていたりマイペース。(というより周りの冷ややかな目に気づかない)自称平和主義、周りから見れば日和見主義。ヨネの腰巾着。


平城/ハカセ…一言で言うと変人。真面目だが周りと打ち解けられず、裏では見下され気持ち悪いなどと散々な言われよう。妄想癖があるらしい。


油井/ラクミ…短気。口が悪い。銅像壊しの犯人だと疑われる。「バイト同士の深入りはめんどくさい」この子が着ているTシャツには「NO WAR」と記されており、タイトルバックのラストにここがズームアップされるのが印象的。


木村/キム…ド天然で鈍臭いけどかわいい女の子。メイキングでこの役を演じた松本莉緒は「言葉尻にいつもハートマークをつけているような女の子」と表している。たしかに。ヨネと仲が良く、周囲からその関係を疑われている。「ペッパー、ソルト、どっちが砂糖だっけ???ホトさぁんわかんなぁい〜><」


露子/ツユコ…クールでニヒル。割と分析的。笑う時は基本鼻で笑ってる感じの女の人。以前ヨネと関係があった模様だが、本人は付き合ってはいなかったと断固否定。でもやることはやったらしい。わぁ大人の関係(白目)


英野/ヒデ…イメージはジャイアン。時間にルーズらしい。事件当日は時間通りに来るものの二日酔いでトイレにこもる。血の気が多くすぐ手が出る。


仏田/ホトさん…このドラマの中で一番まともな人のうちの一人。いい意味で冷静で公平。仕事上でもひとりで仕込みができたりみんなに頼られている。ヨネが来るまではバイトをまとめていたっぽい。出番は少ない。


麦蔵/ドクさん…彼もまたこのドラマの中で一番まともな人。とにかく生真面目。ヒノッチの日和見他人事な態度が気になっているらしい。結婚しており、結婚するまでは嫁との間に「大きな壁」があった模様。「東の壁と、西の壁………」


中村/チュン…普通の男子大学生。ちょっとキョロ充(古いか?)感が否めない。長いものにはまかれそうな感じではあるけれど、ヒデを諌めたりラクミを守ろうと立ちはだかったり結構イケメン。


阿南/アナン…店長。あまり特筆することは無いけれど、私的には「なんでそんな大事な銅像置いてある日に早く帰っちゃって翌日来るのも遅いんだよ」と思った。あまり威厳はない。

 


こんな感じですね。誰がどこの国か分かりましたか?ちなみにアナンは国じゃなくて機関ですね。

 

 

ざっとあらすじも

 

 

TRASHMASTAURANTは無国籍レストラン。ある日の閉店後、店長のアナンが社長から預かった像を店に持ってきます。何でもTRASHMASTAURANTで翌日に行われる社長との会食で飾りたいとか。そう言い残しアナンはその場をヨネに任せ帰ってしまいます。一通り騒いだ後皆帰っていきますが、ヒノッチはヨネに翌日の朝の鍵開けを任されました。ヒノッチは翌日夜出勤なのに。
翌日、皆がまた職場に集うと、ひょんなことから像が壊れてしまっていることが発覚します。
誰が壊したかも、いつ壊れたのかもわからない。
店長ももうすぐ来てしまう。
一体誰が壊したのでしょうか。どうしたらいいのでしょうか。

最初は個性的なバイト達のドタバタ劇だったはずが、だんだん立ち込める怪しい空気に見ているこちらも冷や冷やしてしまう。「3話あたりからおかしくなるんだよなぁ………」(メイキングより)

 


ここからは少し高校時代の脳みそを叩き起して(そして文明の利器も使いつつ)2003年までにおける世界情勢とともにトラッシュマストラントを考えていこうと思う。


ソ連と露の違いを分けようかとも思ったのですがここでは露子に合わせてすべて露表記で表しています。
※ところどころでヨネに湧く可能性もありますのでご了承ください

 

 

このドラマを「国際情勢」という観点から考える場合、言及すべきは以下の点であると思う。


①ヨネとヒノッチの関係とヒノッチの日和見主義
②ヨネとツユコの関係
③ヨネとヒデ対ラクミの戦争
(④ヨネとホトさんの関係)
⑤ヨネとハカセとキム
⑥ラストシーン


え、待って……ヨネ多すぎない……?私がヨネ好きだから?えっでも他にあるかな………ないな………まぁいいや。

 

 

①ヨネとヒノッチの関係とヒノッチの日和見主義
ヨネとヒノッチの関係は、まさに「御主人様と犬」である。ヒノッチはヨネの言うことには逆らえない。この関係の始まりは、ヨネがTRASHMASTAURANTに来た当初、みんなが仕事をしている中バックヤード漫画を読むヒノッチにキレたヨネがヒノッチを完膚無きまでに叩きのめしたところから。その後ヨネはヒノッチに「やっぱりケンカはよくないよな。」と言ってもう二度と喧嘩をしないことを約束する。
この一連の流れが何を表すのか。
ⅰ 太平洋戦争と日米安全保障条約
ⅱ WWⅡと憲法第9条
この二つが浮かぶ。
iの太平洋戦争はWWⅡにおける戦争で、安全保障条約は米軍の日本駐留を認めるものであり、ⅱの憲法9条は戦争の放棄を示したものだ。……多分。どちらかというとⅱの方かなーと思うが、決定的な判断材料はないので曖昧なままにしておく。このシーンにおいては「WWⅡで米にねじ伏せられ無理やり戦争放棄を強いられた日」という日米関係の風刺であるということは確かだ。
日国民として見るに当たって、このドラマは相当心にくるものがある。ヒノッチはいかにも日を象徴したような性格で、何を聞かれても「え?あー分かんない。」「知らない。」「覚えてない。」困ったことがあると「ヨネちゃ〜ん、なんとかしてよ! 〜」とヨネ頼み。挙句の果てに皆が銅像を壊した人を探す話し合いのシーンで漫画を読みながら爆笑………。
ドクさんから漫画を叩き落とされ、「あなたはここにいない。」「私あなたの生き方軽蔑します。」って言われるシーンは、まさに今の日の状況を俯瞰で見た時に感じることと通じている気がする。またそのシーンで同じくドクさんが発した「ヨネさんは助けてなんかくれませんよ」のセリフも、ハッとさせられる。

 


②ヨネとツユコの関係
はい来ました。ヨネツユ。語りだしたら止まらないヨネとツユコの関係ですが、ここは抑えてあ!く!ま!で!国際情勢として考えましょう。ハイ。
ここは明らかに米露の冷戦を表しているわけなのだが、その直前の色々な米露関係も関係しているように感じる。
元々米露は友好な関係であった。それは、欧州(特に英仏)に対する対抗心によるものであり、「敵の敵は味方」的心理である。
ヨネとツユコは特にヒデホトに対抗心があったという訳では無いが、彼らの性格、また付き合っているか付き合っていないかわからないような状況でやることやってしまうような関係から、お互いを好きで理解しようと思っているような恋愛関係より、自分の欲求を満たすための相互利用し合う関係のような印象を受ける。
また別れた後の関係としても、気にしていないようなヨネと、可愛さ余って憎さ百倍状態のツユコはなんとなく今(といってもこのドラマが放送されたのは2003年であるが)の米露関係を彷彿とさせる。
ただヨネは「俺達付き合ってたんじゃないのかよ!」って言ってたから実はツユコのことめっちゃすきだったのかな………ヨネかわいい………沼を感じる…………。

 

 

③ヨネとヒデ対ラクミの戦争

この表現はドラマ中でツユコが発した発言からとったが、ラクミのカバンに像の破片が入っているのではないかと疑ったヨネとヒデがラクミのカバンを漁りに行くシーンである。
これが表しているのがイラク戦争であるということが予想される。
ちなみにイラク戦争が始まったのは2003.3/30で、トラッシュマストラントが放送されたのは同年の11/28である。
舞台や映像創作の現場がどうなったるのか正直わからないのでイラク戦争が起きた時にこれを書こうと思ったのか、国際風刺をしつつこの脚本を書いている時に「脚本家の予想通りに」このような事件が起きたのかというのは正確には断定できない。しかしこの当時米英vsイラクという構造があったということがこの脚本に影響していることは確かである。
ここで主に発言しているのはヨネヒデラクミツユコホトであるが、その5人と5ヶ国の立ち位置を確認してみる。
ヨネヒデはもちろんラクミを疑い無理矢理カバンの中身を見ようとする。
ツユコは絶対に出てこないから行かせればいいじゃんという姿勢。
ホトさんは乱暴なやり方はやめて、店長を通してから調べろという。
イラク戦争に対する各国の姿勢としては
米英はイラク武装解除を求めて侵攻し、露仏は侵攻に反対した。露とツユコの姿勢に多少相違はあるものの、大体の主張としては同じだ。
ここででてくる疑問はホトさんの主張である。
本編を見ている限りホトさんは理性的で公正な正義漢のように感じる。
しかしこのイラク戦争における仏の反対主張の裏には、仏がイラクの油田の権益持っていたことなどの裏の事情があり、ただモラルや倫理の問題で反対しただけではないように思える。
ここの差についてはメイキング映像ですこし解明することができる。
ホトさんを演じた村井克行はインタビューの中で、「最初僕が目指したのはわかりやすい正義なヤツで、ヨネとの対比を見せようとしていたけれど監督に『そういうのいらないから』って言われた。」と語っている。一見正義の元に冷静に公平に判断しているように見えて、本人達が目指してたのはそういうところじゃない、という裏が見える。
また本編の中に「なにホトさんラクミの肩ばっかり持って〜」「そういうんじゃないだろ。」という会話がある。誰としてたかは忘れたけど。
最初見た時はただ茶化されていたのを真面目なホトさんがかわしているという場面に見えたのだが、このような背景からもしかしたら多少ラクミのこと好きだったのかな……?と思ってみたり………。
ちなみにヨネに連れられてほんの少しヒノッチも傍観していたが、あれは自衛隊の派遣とか武器の供給とかの象徴とも捉えられる。

 

 

(④ヨネとホトさんの関係)

カッコにしたのはあまりここについて明白な事実が見えてこなかったからであるのだが、せっかく考えたので記しておこう。

ヨネとホトさんの関係としては、冷静な判断の元に自分の思い通りに物事を引っ張り自分に利益が行くようにするヨネと、冷静な判断の元に公平に公正に物事を運ぼうとするホトさんという対比になっている。
またホトさんはヨネのワンマンで暴走しがちなやり方に難色を示していて忠告するが、ヨネは自分のやり方が間違っているとは認めない。というか思いもしない。
当時の米仏は、割と理性的になった仏と、欧州を抜いて力をつけた米という印象がある。
このふたりの関係はこのような事実を象徴したキャラクターづくりになっている。

 

 

⑤ヨネとハカセとキム
この3人の三角関係(?)もまたこのドラマにおいて大きなウェイトを占める。
日本がWWⅡで敗北したことによって日本支配下から脱した朝鮮が二分割されて38度線から北はロシアに、韓国はアメリカに占領されることになった。特にハカセとツユコはなにかある訳では無いが、キムとヨネが仲良し(?)なのはこの関係を表しているのではないかと。キムは彼氏がいるというし、ヨネもキムと付き合っていないと主張するし、「彼女はこの中で一番鈍臭い」って言い切っちゃうあたりヒノッチほどではないけど愛犬的な感じなのかと思う。
ハカセがヨネとキムの関係を羨んでいるのは特に北と南の関係を表している訳では無いけれど、ヨネにめちゃくちゃキレるハカセには今散々ニュースになっているあのことと重なって私は気が気じゃない。

 

 

⑥ラストシーン
これ、今の状況考えるとめちゃくちゃ怖くないですか…?
ヨネはハカセはやってないよ、と擁護しキムがやったと自分の見解を言うけど、皆は自分がキムと付き合ってることがバレるからわざとキムに罪をなすりつけようとしてると取り入らず、それを聞いたハカセは
「こいつはとんでもない悪党だ!」
と暴走しヨネを罵る。
「いい加減にしないか!」とビンタするアナン。
実はこのような事件も実際に起きていて、ソマリア沖で海賊に襲われそうになった北の乗組員を米が援助しに行ったという……。
でもそれはトラッシュマストラントが放送された2003年から4年もあとの2007年らしい。脚本家は何を思ってこのくだりを書いたのか……。
もう完全に周囲はハカセを「何コイツ……」的な目で見て、結局ハカセが罪を認め(ほんとは濡れ衣なんだけど。)みんなもよし終わり〜みたいな感じで解散。ヨネとアナンは事務所で話し合いをしに、ヒノッチは更衣室で着替え始める。
と思いきや、店から悲鳴やら物騒な物音やらが聞こえてくる。
一番最後に遅れて店に出たヒノッチが見たのはハカセに刺殺され無残な姿で横たわるバイトメンバーやアナンと、血だらけで腹を押さえた瀕死のヨネ。
ハカセがなぜかナイフをヒノッチに渡し、ヨネを殺せと言う。そうすればもうヨネの言いなりになる事はないと言う。
一方ヨネは「ヒノッチコイツ殺せ」と息も絶え絶えに言うが、ヒノッチは「できないよ…喧嘩するなって言ったのヨネちゃんだろ…」とナイフを投げ捨て、そのナイフを拾ったヨネがハカセを刺殺する。
最後は「俺がいなかったらヒノッチ死んでたぞ……?俺がヒノッチのこと助けたんだよな……。これからもよろしく頼むわ。」と。
このドラマのやるせないところは、結局壊れた銅像が社長の孫が作ったものだったということだ。高価なものでもない。

結局、この銅像を巡って殺し合いまでしてしまったバイトメンバー達。その虚しさだけが心に残る。(だけと言ったら嘘になる。ヨネは最高にクズで最高にかっこよかった。)

 

 

このドラマの中で脚本家が言いたかったのは
このまま米の言いなりになっていてはいざというときに自分たちで運命を決定づけることも出来ず、結局米から逃れられない。日和見してる場合じゃないぞという警告と
今世界の国々が争っていることは実はとんでもなく下らなくて小さいことかもしれないということなのではないかと思う。立ち返って考えてみれば、多くの犠牲を払ってまで達成するようなことではないかもしれない。ということではないだろうか。
徹底的な反戦というわけではなく、少し冷笑的なものを感じた。

 

また少しオカルトな観念から見ると、このドラマの状況が今の状況に少し通じるものがあることが恐怖でならない。
「喧嘩は良くない」といったヨネがヒノッチに「コイツ殺せ」って言ったこととか、ね。